社内共有資料|ニュース解説

「LINEが有料化」は本当か?
1億人の国民的インフラが"稼ぐアプリ"に変わり始めた理由

月290円の新プラン登場、送信取消は24時間→1時間に短縮、秋にはメッセージ編集も有料特典に。SNSで広がる「LINE有料化」の噂の真相と背景を、公式発表と決算数値からわかりやすく整理します。
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まず3行まとめ

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結論:噂は「半分ホント」——無料と有料の境界線はここ

SNSで「LINEが有料になる」という噂が広がりましたが、正確には「LINEというアプリの中に、有料の階層が増えていく」のが実態です。連絡手段としてのLINEは無料のまま。一方で、これまで無料だった一部機能の条件が変わり、便利な新機能は有料会員の特典として提供される流れが始まっています。

無料のまま使えるもの
従来どおり・追加費用なし
  • メッセージの送受信(トーク)
  • 音声通話・ビデオ通話
  • グループトーク・アルバム等の基本機能
  • 送信取消(ただし送信後1時間以内に短縮)
  • 無料スタンプ・購入済みスタンプの利用

※ このほか企業向け「LINE公式アカウント」の配信料金改定のニュースが個人向けの話と混同され、「LINE有料化」の噂を後押ししたと解説されています(おちゃタイム記事より)。

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数字で見るLINEの現在地

1億人
国内月間利用者数
2025年末に大台を突破。日本上陸から15年で、災害時の安否確認や行政通知も担う「国民的インフラ」に
7,351億円
メディア事業(広告など)売上
前年比+0.4%とほぼ横ばい。調整後EBITDAは2.2%の減益で、広告で稼ぐモデルが頭打ちに(FY25決算)
2,549万人
LYPプレミアム総会員数
2026年5月末時点の公表値。うち直接課金の会員は666万人。「早期に1,000万人、日本最大のサブスクへ」が目標
290円/月
新ライトプランの月額
2026年7月中旬以降に開始予定。スタンプ使い放題など4特典に絞った"お手頃"プラン(税込)
7,400万人超
PayPayの登録ユーザー
今夏からLINEとアカウント連携。トーク画面から直接、送金や割り勘ができるようになる
1時間
送信取消の新しい期限
従来の24時間から大幅短縮。プレミアム会員なら最大7日間+未読なら通知を残さず取消も可能
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新しい料金体系——「0円・290円・508円」の3段構え

2026年6月22日、従来の「LYPプレミアム」は「スタンダードプラン」に改称され、7月中旬以降に月額290円の「ライトプラン エンジョイパック」が新設されます。無料・ライト・スタンダードの3段構えで、「まず290円から試してもらい、上位プランへ引き上げる」サブスクの王道戦略です。

無料プラン
基本機能だけで十分な人
¥0
今までどおり
  • トーク・音声/ビデオ通話
  • グループ・アルバム等の基本機能
  • 無料スタンプ・購入スタンプ
  • 送信取消は1時間以内に短縮
スタンダードプラン
全機能を使い倒したい人(旧LYPプレミアム)
¥508/月(税込)
Web申込の場合。アプリ内課金だと650円
  • ライトプランの特典すべて
  • プレミアムスタンプ使い放題ほか特典多数
  • 送信取消が最大7日間・未読なら通知なし取消
  • メッセージ編集・予約送信今秋〜
  • 通話レコーディング・プレミアムブロック今秋〜

30秒でわかる:あなたはどのプラン向き?(チェックを入れると判定が変わります)

無料プランのままでOK
連絡手段として使うだけなら、追加費用は一切かかりません。当てはまる項目にチェックを入れてみてください。
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「有料化」の噂はどこから来たのか——3つの発端

発端① 企業向け「LINE公式アカウント」の料金改定
お店や企業がメッセージを配信するための「LINE公式アカウント」で料金改定があり、このニュースの「LINE」「料金」という言葉だけが切り取られて、個人のLINEも有料になるという誤解として拡散しました。影響を受けるのは配信する企業側で、受け取る個人には関係ありません。
発端② 月額290円の新プラン発表
7月に始まる「ライトプラン エンジョイパック」の発表が、「ついにLINEが課金制になる」と受け取られました。実際は入りたい人だけが入る任意のサブスクで、入らなくても今までどおり使えます。
発端③ 無料ユーザーの機能が実際に「削られた」
噂に火をつけた実質的な変更もあります。メッセージの送信取消の期限が24時間から1時間に短縮され、長い期限(最大7日間)や「未読なら通知なしで取消」は有料会員の特典になりました。「無料と有料の差をつけて、課金する理由を作る」動きが現実に始まっているのは事実です。
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本当の理由① 稼ぎ頭だった広告が頭打ちに

LINEヤフーの2025年度(FY25)決算を見ると、課金強化の理由がはっきり見えます。会社全体の売上は2.0兆円(+6.2%)と伸びた一方、広告を含むメディア事業は7,351億円で前年比+0.4%とほぼ成長が止まりました。中でも検索広告は10%超の減収——検索がAIチャットに置き換わりつつある逆風をまともに受けています。

LINEヤフー FY25決算:事業別の前年比成長率
検索広告AI検索の逆風が直撃
−10%超
メディア事業 全体広告など・売上7,351億円
+0.4%
全社売上2.0兆円
+6.2%
アカウント広告LINE公式アカウント関連
+15%超
戦略事業PayPayなど金融・決済
+30.6%
0%

検索広告の落ち込みをアカウント広告と決済事業が補う構図。「広告一本足」から脱却し、伸びている分野=課金と決済に軸足を移すのは自然な流れといえます(出典:プレジデントオンライン記事内のFY25決算数値)。

次の一手:AI時代の「4つの収益源」

LINEヤフーはFY26の方針として、AIを活用した4つの収益源を掲げています。今回の有料プラン強化は、この「ユーザー課金」の柱を太くする施策と位置づけられます。

柱 1
ユーザー課金
LYPプレミアムなどのサブスク収入。今回の主役
柱 2
Agent型広告
AIエージェントが提案に組み込む新しい広告
柱 3
Agent経由手数料
AIが代行する購買・予約から得る手数料
柱 4
クライアント課金
企業向けツール・公式アカウントの利用料
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本当の理由② 「LINE経済圏」の総仕上げが始まった

もう一つの柱が、LINEをお金の流れの入口にする「経済圏」構想です。象徴が今夏に始まるPayPayとのアカウント連携。1億人のLINEと7,400万人超のPayPayがつながり、トーク画面から直接送金や割り勘ができるようになります。実はこの連携は2023年11月の情報漏洩問題でセキュリティ再構築を迫られ延期されていたもので、満を持しての再始動です。

決済

PayPay連携(今夏〜)

  • トークから送金・割り勘が完結。これまでは別途PayPayアプリで相手を探す必要があった
  • LINE×PayPayで国内最大級の経済圏を形成し、メッセージ→決済の動線を握る
コマース

ギフト・ショッピング強化

  • LINEギフトは年間利用者1,300万人以上・今年度の流通総額は1,000億円超の見込み(商品約30万点・プレジデントオンライン記事より)
  • VOOMタブのショッピングタブへの置き換えが一部ユーザーで進行中。9月頭に全ユーザーへ正式リリース予定で、EC統合により商品数は3億点以上に
サブスク

LYPプレミアムの拡大

  • 総会員数2,549万人(2026年5月末時点)・直接会員666万人。Netflixセットプランは計画比170%以上の好調な滑り出し(プレジデントオンライン記事より)
  • 「早期に1,000万人以上、将来は誰もが使う日本最大のサブスク」が公言された目標
AI

AIエージェント「Agent i」構想

  • ユーザーの好みを学習したAIが、情報提供から購買までを一貫代行する構想
  • 広告・手数料・課金が交差する次の収益エンジンとして位置づけ

元記事の筆者はこの流れを、「無料という広い入口でメッセージ機能を定着させ、その上でコマースやサブスクなどの収益源を育てる」設計思想への転換と読み解いています。連絡手段は無料の集客装置であり続け、その先の「お金が動く場面」をすべてLINEの中に取り込む——これが「本当の理由」の核心です。

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今後のスケジュール——2026年のLINEはこう変わる

2026年6月22日実施済
従来の「LYPプレミアム」が「スタンダードプラン」に改称
7月中旬以降予定
月額290円の「ライトプラン エンジョイパック」提供開始。アルバムへの動画保存特典も
7月27日以降予定
「LINEスタンプ プレミアム」の新規入会受付を順次停止
既存ユーザーは9月以降、LYPプレミアム各プランへ順次移行(ベーシック→ライト、デラックス→スタンダード)
今夏予定
PayPayとのアカウント連携開始。トークから送金・割り勘
8月以降予定
実験コーナー「LINEラボ」で秋の新機能を無償先行提供——まず無料で体験させ、秋から有料特典化する助走期間
9月頭予定
ショッピングタブが全ユーザーへ正式リリース(一部ユーザーではVOOMタブからの置き換えが進行中。EC統合で商品3億点以上へ)
今秋以降予定
メッセージ編集・予約送信・通話レコーディング・プレミアムブロックがスタンダードプランの特典として正式リリース

※ 時期はいずれも2026年7月17日時点の公表・報道ベース。変更される可能性があります。

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秋に来る4つの「神機能」——ただし有料会員限定

長年ユーザーが要望してきた機能が、ついに実装されます。ただし提供先はスタンダードプラン(有料)の特典。8月以降にLINEラボで無料体験させてから秋に有料化する段取りで、「便利さを一度知ってもらってから課金してもらう」フリーミアムの定石どおりの展開です。

メッセージ編集

送信後のメッセージを訂正できる機能。誤字や言い間違いを「送信取消→打ち直し」せずに直せる。

※ 編集できるのは送信後15分以内と報じられています

プレミアムブロック

ブロックした相手の友だちリストから、自分の表示そのものを消せる機能。関係を絶ちたい相手に痕跡を残さない。

※ 従来のブロックは相手のリストに自分が残り続けていた

メッセージ予約送信

日時を指定してメッセージを送れる機能。深夜に思いついた連絡を翌朝に送る、誕生日の0時に送る、といった使い方が可能に。

※ ビジネスの「営業時間内連絡」にも便利

通話レコーディング

LINE通話を録音し、文字起こしまでできる機能。口頭でのやり取りを記録に残せる。

※ 打ち合わせや家族の大事な連絡の記録に
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もう一つの論点——「もっとシンプルなLINEが欲しい」

元記事のタイトルにもなっているのがこの論点です。決済・ショッピング・ニュース・AIと機能を詰め込む「スーパーアプリ化」は、収益面では合理的でも、ITに詳しくない人にとっては「複雑で怖いアプリ」になっていくという副作用を持ちます。

筆者の鈴木朋子氏(ITライター・スマホ安全アドバイザー)は、子どもを持つ保護者から「子ども用にもっとシンプルなLINEが欲しい」という声が寄せられていると紹介します。機能が増えるほど、意図しない課金や情報トラブルの入口も増える——子どもからシニアまで1億人が使う以上、これは無視できないリスクです。

提言:「LINE Lite」の再来を

そこで筆者が提案するのが、かつて海外向けに提供されていた軽量版「LINE Lite」のようにメッセージ機能に絞った簡潔版アプリや、アプリ内の機能を制限できるオプションの提供です。一方で、収益化そのものについては「インフラを維持する原資になり、ユーザーの利益にもつながる」と歓迎の立場。稼ぐことと、誰もが安全に使えることの両立——これが1億人のインフラに課された宿題だと締めくくっています。

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結局どうすればいい? よくある疑問

今すぐ何かしないと、LINEが使えなくなる?
いいえ。何もしなくても、トークも通話も今までどおり無料で使えます。「◯月◯日までに支払わないと利用停止」といったメッセージが届いたら、噂に便乗した詐欺の可能性が高いため注意してください。公式の変更は必ずLINEヤフーの公式発表・アプリ内のお知らせで確認できます。
気をつけておくべき変更は?
実用上いちばん影響が大きいのは送信取消が「1時間以内」に短縮されたことです。誤送信に気づいたら1時間以内に対処が必要です(それを過ぎても消したい人向けの受け皿が有料プラン、という構図です)。また7月27日以降は「LINEスタンプ プレミアム」の新規受付が止まり、LYPプレミアムへ統合されていきます。
290円のライトプラン、入る価値はある?
スタンプをよく使う人と、トークのアルバムに動画を残したい人には割安です。逆に、誤送信対策(取消7日間・通知なし取消)や秋のメッセージ編集・録音まで欲しいなら、最初からスタンダードプラン(Web申込508円)が向いています。連絡手段として使うだけなら無料のままで問題ありません。セクション04の診断チェックもご活用ください。
家族(子ども・シニア)のスマホで注意することは?
今後のLINEは「お金が動く場面」(ショッピング・送金・サブスク)がアプリ内に増えていきます。意図しない課金・送金がないか、支払い設定や課金の有無をときどき一緒に確認するのがおすすめです。元記事も、リテラシーに不安がある層ほど複雑化の影響を受けやすいと指摘しています。
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用語ミニ辞典

LYPプレミアムLINE・Yahoo! JAPAN・PayPayの特典をまとめた月額サブスク。2026年6月に従来プランが「スタンダードプラン」に改称された。LYPは3サービスの頭文字。
ライトプラン エンジョイパック2026年7月中旬以降に新設される月額290円(税込)のプラン。スタンプ使い放題・アルバム動画保存・アイコン着せ替え・着信音設定のLINE特典4つに絞った入門版。
送信取消と削除の違い「送信取消」は相手の画面からもメッセージを消す機能(無料は1時間以内・プレミアムは最大7日)。「削除」は自分の画面から消えるだけで、相手には残る。
LINEラボLINEアプリ内の実験機能コーナー。8月以降、秋の新機能(メッセージ編集など)をここで無償先行提供し、正式版では有料特典として提供する予定。
スーパーアプリメッセージ・決済・買い物・ニュースなど生活機能を1つに集めたアプリ。中国のWeChatが代表例。収益機会が増える一方、操作の複雑化が課題になる。
LINE Liteかつて海外向けに提供されていた軽量版LINEアプリ(現在は終了)。メッセージ中心のシンプル構成で、元記事はこの思想の復活を提言している。
調整後EBITDA本業がどれだけ現金を稼いだかを示す利益指標。メディア事業はこれが2.2%減益となり、広告モデルの頭打ちを示すシグナルになった。
Agent i(エージェント アイ)LINEヤフーが構想するAIエージェント。ユーザーの好みを学習し、情報提供から購買までを代行する。広告・手数料と並ぶ次の収益エンジン候補。