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育休取得状況の公表義務は、これまで従業員1,000人超だったのが300人超に拡大。男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」のいずれかを、年1回・おおむね事業年度終了後3か月以内にインターネット等で公表します。
また次世代育成支援対策推進法が2035年(令和17年)3月末まで10年延長。一般事業主行動計画の策定にあたり、育休取得や労働時間の状況把握・分析(PDCA)と数値目標の設定が義務化されました(常時雇用101人以上が義務、100人以下は努力義務。ただし助成金申請時は事実上必要)。
3歳〜小学校就学前の子を養育する労働者に対し、会社は次の5つの措置から2つ以上を選んで導入します。従業員はそのうち1つを選んで利用します。
時差出勤。職種を選ばず導入しやすく、解説者が最も勧める選択肢の一つ。
月10日以上・時間単位で取得できるように。ただし事業所単位での導入が必要で、現場・新人には不向きな面も。
施設が難しければベビーシッターの手配と費用補助でも可。補助額が小さいと助けになりにくい点に注意。
就業しつつ子を養育しやすくする新しい休暇。年10日以上・時間単位で取得できるように。
1日の所定労働時間を6時間などに。①〜④のフルタイム向け措置と組み合わせやすい。
選ぶ際は「意見聴取」が義務。5つのうち2つを決めるには、過半数労働組合(なければ過半数代表者)から意見を聴取する機会を必ず設ける必要があります。解説者の実務提案としては「①始業・終業時刻の変更(時差出勤)+⑤短時間勤務」の組み合わせが無難——テレワークは職種・新人で難しく、ベビーシッター補助も金額次第で助けになりにくい、という理由からです(あくまで解説者の見解。自社の実情に合わせて判断を)。
従来は「妊娠・出産の申し出時」に育児休業制度の個別周知・意向確認が必要でしたが、改正で確認するタイミングと内容が増えました。
育休制度の周知・意向確認に加え、勤務時間・勤務地・両立支援制度の利用期間・仕事と育児の両立に資する就業条件(業務量や労働条件の見直し等)をヒアリングし、自社の状況に応じて配慮します(配慮は義務)。
10月改正で選んだ「柔軟な働き方」2措置の個別周知・意向確認を行い、あわせて勤務時間・勤務地・両立支援制度の利用期間・就業条件について周知・ヒアリングし、配慮します。
周知・ヒアリングの方法は、面談・書面の交付・FAX・電子メールのいずれか(FAXとメールは労働者が希望した場合のみ)。面談はオンラインでも可ですが、解説者は書面を使ったきちんとした面談を推奨しています。
給付の80%は額面ベースですが、休業給付には社会保険料・所得税・住民税がかからないため、手取りで見ると実質10割相当になります。対象は出生後の一定期間(男性は出生後8週間、女性は産後休業後8週間以内)。狙いは男性が産後に14日以上休むこと。なお配偶者が専業主婦(夫)や一人親の場合は、配偶者の取得を求めずに給付率を引き上げる配慮があります。
もう一つ、育児時短就業給付金も新設。短時間勤務(育児時短就業)を利用しやすくする給付で、時短で下がりがちな収入を補い、短時間勤務という選択のハードルを下げます。
牧野氏の結論は明快です。2040年には約1,100万人の人手不足、2050年には生産年齢人口が約2,100万人減少すると見込まれます。介護・医療の担い手も必要になり、人手はますます逼迫します。だからこそ育休・介護休業を「対応が大変な負担」ではなく、社員が長く安心して働くための制度と捉え直し、求人・定着に活かすのが勝ち残り策だ、と。
制度があっても、実際に休めるかは職場の人間関係次第。日本人は「人様に迷惑をかけてはいけない」と育つため、職場の仲間には助けを求めにくい。そこで自己開示(趣味・家族・自分の困りごとを打ち明ける)を促し、「少し迷惑をかけても助けて、と言おう」「余裕がある時は手伝うよと言おう」と教育する。家族ぐるみの企画で互いの背景が見えると、助け合いが生まれます。
助け合いが当たり前になると、有休や介護休業が実際に機能し、定着率が上がります。さらに仲間の困りごとに共感できる人=お客様の悩みにも共感できる人になり、高単価のサービスが売れて労働条件も良くなるという好循環が生まれます。男性育休の際は仕事の見える化・引き継ぎ・不要業務の棚卸しのチャンスにもなります。
そして実績(男性育休◯人、育児短時間勤務◯人…)を堂々と求人でアピールすれば「労働条件の良い会社」として人が集まる——牧野氏が自社を90名規模に成長させた要因もここにある、と締めくくります。
妻が最もストレスを感じるのは産後2週間で、母子だけで過ごす時間が増えると育児不安が強まりやすいとされます。良い関係を築き、妻が正社員として働き続けられた場合とそうでない場合とでは生涯収入で2億円以上の差が生まれる、という点も男性に伝える価値がある、としています。