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イベント:Startup Aquarium 2026(Coral Capital主催のスタートアップ・キャリアイベント)。モデレーターはCoral Capitalの澤山陽平氏(Founding Partner)が務めています。
前提として、この変化は「ブームではなく、不可逆な確定した未来」(上野山氏)。情報革命は10年20年のマクロトレンドとしてAI革命へ進んでおり、このトレンドに抗ってはいけない——これが対談全体を貫く時代認識です。
上野山氏いわく、ソフトウェアは「コーディング→GUI→ブラウザ→スマホ→自然言語」と形を変えながら人間に近づいてきた。その到達点がLLMで、いまはLAM(Large Action Model)=テキストを入れるとアクションが出てくる世界への進化が起きています。安野氏も「Claude Codeが手放せない。1行1行書くのではなく、コンテキストを覚えてもらうために全部Claude Codeを介して作業する」とコンピューターの触り方自体が変わったと語り、CUIだけでなく人間が使うGUIをAIが触り始めた点(AnthropicのCoworkなど)を今年の注目ポイントに挙げます。
アクション空間から一手を選んで実行する。最初は怖いが、続けるとやらない方が気持ち悪くなる。
行動すると世界から情報(反応・結果)が返ってくる。部屋にこもっていては何も返ってこない。
返ってきた情報が自分だけの体験=テキスト化されていない一次情報として蓄積される。
体験が学びに変わる。これが学びの定義であり、AIには代替されない資産になる。
安野氏は、同じ仕事が100人→10人でできるなら最適なチームの人数から設計し直すべきで、少人数ほどコミュニケーションが密になり「脳が同期」しやすいと語ります。技術がエクスポネンシャルに進化する前提で「1年後の組織」を決めなければならない——人事・組織設計者には難しい時代です。
政党の機能を大きく捉えると「情報の加工」——市民の困りごとや有識者の声を聞き、法案・委員会質問・質問主意書に変換して国会やメディアに投げ込む。この一連の情報処理パイプラインは設計できる、という発想で党首自らClaude Codeを使い倒し、各所にAIを実装。自身を「国会にデプロイされたFDE(前線配備エンジニア)」と呼びます。ビジョンと実装の距離が縮まった今、現物を見せることが新しいリーダーシップ像になる、と。
安野氏は、AIでコミュニケーションのコストが下がることでダンバー数(信頼関係を保てる人数の上限)が広がり、組織のピラミッドが「横に広く」なると予想。上野山氏も、社内問い合わせを自動化するエージェントが「社内の集合知を人格化した存在」になり愛着を持たれ始めている実例を紹介し、1対1対Nの新しいコミュニケーション形態が立ち上がると語ります。選挙期間中の「AIあんの」も同じ発想で、有権者一人ひとりが聞きたいことを聞ける上、対話ログを解析すれば関心の集中点が本人に届く——ブロードリスニングの実践です。
マネジメントの現場では「提案の前に一度AIに通して議論してから持ってきて」がすでに当たり前になりつつあります。コーディングで「なぜClaude Codeを挟まないの?」となったように、人間同士のコミュニケーションにもAIを挟むのが礼儀になるかもしれません。チームみらいでは、判断のプリンシプル(原則)を明文化したファイルを整備し、Claudeのスキルとして配布して外部発信や委員会質問が原則に沿っているかを発信前にチェック——マネージャーの仕事は「この範囲なら安心して動ける」というガードレール=ゲーム作りであり、その幅がAIでぐっと広がった、と安野氏は語ります。